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コラム Vol.02 野々上 大介 さん |
芸術 / コラム |
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「食とアートで農業を」
私の経営するレストランでは、約2ケ月の期間ごとに地元作家による個展が行われています。 とは言ってもあくまでレストランですので美術館やギャラリーの様に作品を楽しむためだけの空間ではありません。 食事を楽しむ、カフェとして本を読みながら過ごす、そして「作品を見に来ました!」と言われるお客様もおられます。 ご利用の仕方はそれぞれに違っています。 『食とアートで農業を』をテーマに店内で行われる個展の特徴としては、それを楽しむお客様はもちろん、 地域の農家や作家さんまでこの空間に関わる全ての方々が少しずつではありますがメリットがある関係性で成り立っています。 作家さんは作品発表の場を得る。店は個展による新たな集客が期待できる。お客様は作家による素敵な空間で時を過ごし、 食事にはふんだんに地元の食材が使われる。 こういったことを『意識的』に行うことで、地元生産者にも決して多くはないにせよ、確実にメリットは流れていきます。 それぞれの仕事は何も変えることなく、組み合わせやバランスを良くし、必要なものをやり取りして充足できれば、 誰もが、少しずつではあるかもしれないが得になる可能性がある。 シンプルな考え方ではありますが、この「誰もが少しずつでもメリットがある」と、いう辺りがポイントのような気がします。 そこで大切なのが「信頼関係」。互いの事を思いあう気持ち、関係を構築する為に必要な時間は重要だと考えています。 様々な作家による表現の世界を幅広く見ていただくこと、私の料理と『店』という媒介を通して 『食』『アート』『農業』が繋がっているさまを感じていただくことが、少しだけでも県北地域ならではの地域振興の可能性に 向けたサンプル的取り組みということになれれば幸いと思っています。 最後に私の自論になりますが、地方で活動をし続ける為には『持続可能な内容とバランス』『多角的な費用対効果』『本質を問う』。 このことが大切ではないかと考えています。
piatto nono オーナーシェフ |
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