2010年に第1回が開催され、いまや湯郷温泉の冬の目玉イベントとして定着した湯郷温泉アートプロジェクト「ガラスのクリスマス」。 第3回を迎える今回も、湯郷温泉の旅館・ホテル・店舗などの施設に50名のガラス作家の作品が展示されます。
このイベントの魅力はどこにあるのか、そのヒントをさぐるべく、事務局の岡本常秀さんにお話を伺いました。
旅館のロビーを展示場所にするときれいだな、と思ったのがまず最初のきっかけですね。ここに作品を展示できればいいし、それが活性化につながる可能性は非常に大きい。
また、私自身岡山の作家さんたちとの交流がありますが、全体での交流の機会がないので、作家が集まって交流できる機会にもなる。
そういうことを組み合わせていって、イベントとしてできあがっていきました。
それにお客さんからは、旅館のように理由がなければなかなか足を踏み入れにくところもこれをきっかけに訪れることができて、雰囲気を知ることができていい、という感想が多くよせられますね。
湯郷温泉にとっては、芸術でアプローチするという手法が新鮮だったというのも、多くの関心を寄せていただいた好材料だったと思います。
また、全体としてデメリットが少ないということを言ってもらえますね。
地域の皆さんも、もちろんボランティアとしても協力してくださいますが、運営側にも、作品展示で協力していただく側にも、また作家の側にも、デメリットが非常に少ない組み合わせが実現できています。
そもそも、ピンポイントで一発打ち上げるようなイベントではなくて、ガラスのクリスマスというイベントが湯郷全体を一定の時期ゆるやかに覆っているようなイメージなので、個別の動きを自由にしてもらえますから、そういう点でこのイベントは地域のさまざまな活動に活用しやすいということがあると思います。
そういう、自由な取り組みを許容できるイベントです。
そのために、ある程度長い期間のイベントとして組み立てています。そうすることで、地域にはそういう自由な取り組みができる余裕ができるし、お客さんにはゆっくり見に来れるという気持ちを持ってもらえます。
クリスマス前という時期を選んでいるのも、比較的静かな時期を選んでいるという面もありますが、作家にとっては一年間作って来たものを出すことができる、つまり無理に新作を用意しなくていいという時期でもあります。
関わる人たちみんなが、無理せず、余裕をもって関わってもらえるので、色々な取り組みもしやすいです。
作家のメリットとしては、アートフェア的に販売も期待できる?
いえ、どちらかというと販売目的というのは薄いですね。
作家さんたちも、私たちの姿勢や考え方を理解して共感してくれる方ばかりですので、楽しむために来てくれているような面が強いです。
現在は県内の作家さんばかりなのですか
県内の作家が多いですが、少しずつ範囲が広がっています。
今回参加する作家で一番面白いのは、イタリアの作家 サビーノ・ベンチュラですね。倉敷にゆかりのある人で、イタリアに倉敷のガラスを紹介した人ですが、イタリアと倉敷と半々みたいな活動をしています。ガラス作家というよりはデザイナー的な仕事ですが、面白い作品を作ってます。
こういう人も、湯郷温泉という場で作家が数十人展覧会をして交流をする、ということを楽しむというのが、このイベントに参加する一番大きなモチベーションになってます。
作家さんの幅も広いですね
いわゆる大御所と言われる人や芸大の教授クラスの人から、大学を出たばかりとか数年前から修業を始めたような若手まで、幅広い層が一堂に会していると言うのも、このイベントの特長であり魅力です。こういう顔合わせは、普通のグループ展ではまずあり得ないですから。
特に若手にとっては、こういう経験ができるというのはとても大きいです。これから頑張っていこうという若手が育っていく場にもなっています。
お客さんにとっても、色々な作品と湯郷の魅力ある施設を見て回ることのできる面白い機会でもあるということが言えそうですね。
本日はありがとうございました。
湯郷温泉アートプロジェクト2012 ガラスのクリスマス
2012年2月8日(土)〜12月25日(火)
展示会場:湯郷温泉旅館・店舗等施設
※時間・休日は会場によって異なります。
※湯郷温泉アートプロジェクトについて詳しくは
ホームページで